京都コンピュータ学院
日本最初のコンピュータ教育機関の京都コンピュータ学院では、自由を旨とした教育を行っているが、このところ増えてきたP2Pや帯域をとる動画通信に悩んでいた。対策として、WatchGuard XTM 530を導入し、アプリケーション制御を行っている。同校に訪問し、総合情報システム部室長の栗田量夫氏に選んだ理由を伺った。
■京都コンピュータ学院の紹介~日本で最初のコンピュータ教育機関
― 京都コンピュータ学院について教えてください
京都コンピュータ学院は、1963年、当時まだ一般的ではなかった汎用コンピュータを一般用に使うことを目的に私塾「FORTRAN研究会」として発足しました。
1969年に専門学校設立後もしばらくは汎用コンピュータを中心に学習していましたが、PCやインターネットの登場により、汎用コンピュータからPCに移りかわりました。 1990年代にMacintoshを導入してからは、デザイン系の学科を創設しました。
我が校のつよみは、コンピュータに関して全般的な教育ができることと、永いコンピュータ教育の積み重ねがあること、先輩層が厚く、即戦力になるような人材の輩出を続けてきたことです。就職率の2011年の実績は96%、求人数は2.5倍です。
京都市内に京都駅前校、洛北校、鴨川校の3校舎があり、グループ校として、情報技術分野では日本初の専門職大学院・京都情報大学院大学と留学生向けの京都日本語研修センターがあります。
グループのロゴに使用している.eduドメインは、アメリカ国外の教育機関に使用が認められるのは極めて異例であり、日本では当校だけです。
京都コンピュータ学院1階のKCG資料館は、2009年分散コンピュータ博物館第一号に認定されました。
日本のコンピュータ技術発達史上の重要な研究開発成果や、顕著な影響を与えたコンピュータ技術・製品などを次世代に継承していくことを目的とする認定制度である。情報処理学会により運営され、2009年3月に認定制度が開始された。第1回の認定は、京都コンピュータ学院の他に東京農工大学情報工学科コンピュータコレクションがある。
分散コンピュータ博物館:http://museum.ipsj.or.jp/satellite/index.html
京都コンピュータ学院KCG資料館:http://www.kcg.ac.jp/museum/
■アプリケーション制御にWatchGuard XTM 530を導入~「禁止」ではなく「管理」のために
― WatchGuard製品をどのように活用していますか
アプリケーションの通信制御のためにWatchGuard XTM 530を2011年5月に導入しました。
アプリケーションごとに時間を指定して制御しています。 例えば、動画など帯域を占めるものは授業の妨げになるので、授業時間中はブロックし、休憩時間には開放します。他には、P2P通信の校内からのトラフィックを遮断しています。
コンピュータに関してしっかりと勉強してもらいたいという基本方針のもと、 自由にチャレンジできる環境を維持したいので、極力フィルタリングをかけず、 最小限の制限にしています。
― これまではどうしていましたか
以前はプロキシ経由でURLをブロックしていました。しかし、それではURL制御できない通信はすり抜けていました。このところP2P通信が増え、アプリケーションの詳細な通信制御ができる製品を必要としていました。
― ネットワークにつながるPCはどのくらいですか
校内には約1000台のデスクトップマシンがあり、他に学生が持ち込んだノートPCもネットワークに接続します。PCを文房具として使えるようになることが目的なので、持ち込みを許可していますし、授業で実習機として使用することも可能です。
そのため、学生が使用するノートPCのアプリケーションによっては、セキュリティー面でフリーになってしまうことがありました。 学生にはそれぞれ好みがあるので、特定のセキュリティソフトのインストールを義務化していません。持っているPCもまたさまざまで、ネットブックの学生もいます。最低でもフリーのウィルスソフトを入れるように指導しています。
■機能が充分なことと、コストパフォーマンスの良さでWatchGuard XTMを選択
― WatchGuard XTMの導入のきっかけはなんでしょうか
「インターネットをそのまま使える環境」を担保するために、モラル教育や著作権の授業を行っていますが、昨年の暮れにP2P通信でアメリカの著作権に触れる通信があったとプロバイダーから連絡がありました。
外部からのこのような申し出に対応するために対策を検討しましたが、当時使用していたファイアウォールにはP2P通信を制御できる機能がなく、他に防ぐ手段を探しました。プロバイダーからもツールの紹介がありましたが、価格が高すぎました。探し始めたのは昨年の12月です。
― どのような条件で探しましたか
まずは機能です。最低でもP2P通信をブロックできること。そして次に価格です。 カタログとWEBで機能を比較し、WatchGuardXTMを含め4製品をピックアップし、それぞれの取扱代理店に問い合わせをしました。
― WatchGuardはどうやって知りましたか
WatchGuard製品は、2000年に代理店のネットポイントさんの紹介でFirebox 2500を導入したのが最初です。他にFirebox 1000や500を校舎間接続に使用していました。 その後、他社製品をいくつか使用し、今回のWatchGuard XTMもネットポイントさんの紹介でした。
― WatchGuard XTMに決めた理由はなんでしょうか
WatchGuard XTMは、機能の豊富さと価格のバランスが優れていました。 機能面で他の3製品に劣るところはないのに、価格面でかなり差がありました。 他は、初期設定費用が別であったり、レポート機能が追加だったりしました。
■WatchGuard XTM 530の評価
― WatchGuard XTM 530の評価はいかがでしょうか
以下の点を評価しています。
まだすべての機能を使っていませんが、使い勝手では以前からのものと比べて遜色ありません。手間をかけなくても動いてくれるので、管理は非常に楽です。
■今後の期待
― 最後に今後の期待があればお聞かせください
今回の導入では、代理店のネットポイントさんが導入後のサポートやアカデミックディスカウントの面でもWatchGuardとの間で頑張ってくれて、スムーズに導入することができました。
今後の要望としては、より詳細なログがとれるようになるとありがたいです。 導入時点では、英語だった管理画面も日本語対応となったので、一層使いやすくなりました。まだ使っていない機能も多いので、徐々に活用していきます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
【WatchGuardからのアドバイス】
WatchGuardのUTMは、60種類のレポート機能を標準で提供しています。アンチウイルスの面では、メールのフィルタリング機能をご利用いただくと、よりセキュアな環境になります。
学生が、自分のパソコンを自由にネットワークに接続し、文房具のように使える環境は理想的だと思います。その環境を維持する為にも、WatchGuardに付いている機能をぜひご活用ください。
お忙しい中、ありがとうございました。
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- 株式会社ネットポイント(大阪市)のWebサイト 会社概要
- ※ 取材日時:2011年7月 事例インタビュー:取材屋