米国司法省が 10 億ドル相当の麻薬関連の押収
2020 年 11 月 10 日 Trevor Collins 著
ここ数年、米国司法省はダーク Web の闇市場である Silk Road に関与するビットコインを追跡してきました。Silk Road では、違法薬物や武器、犯罪市場向けのサービスなどをユーザが売買していました。2013 年、米国司法省は Silk Road 創始者である ロス・ウルブリヒトを逮捕し、最終的に有罪判決を下しました。しかし逮捕の直前で何者かによる侵入を受け、闇市場のデジタルウォレットから多額のビットコインが盗み出されました。盗難の時点では 1700 万ドル相当であったその総額は、現在 10 億ドル相当に跳ね上がっています。以来そのビットコインは不明なウォレットに手付かずで保存されていたため、先週に至るまで、盗み出した人物の身元は不明でした。しかし転機が訪れ、先週米国司法省は Silk Road から盗み出された約 7 万ビットコインを押収しました。
もし裁判所が、当該のビットコインの所有を政府に認めた場合、Silk Road に直接関与するもののみならず、すべての違法闇市場に流通するビットコインを押収する法的な根拠を現在そして将来に渡って与えることになります。もちろん法的根拠があるとはいえ、必ずしも押収が可能なわけではありません。合法的に所有権があっても、依然としてビットコインウォレットを突き止め、そのウォレット、つまり適切なビットコイン取引所にアクセスをする必要がありますが、これは容易ではありません。
政府はすでにこれらの盗まれたビットコインを入手しているものの、今度は適切な権利があることを証明する必要があります。このままもし希望通りの判決が出た場合には、おそらく以前と同様、そのビットコインをオークションにかけるでしょう。もし現行の価格に近い額ですべてをオークションで売り払った場合、今年の麻薬関連の押収における合計金額を大きく突き上げることになり、それは 2010 年であれば 5 ヶ月分に相当する金額となります。