中国政府関与の Twitter ボットによるデマの拡散
2020 年 9 月 1 日 Trevor Collins 著
先週 Graphika は、中国の Twitter ボットが米国選挙関連のプロパガンダを宣伝している複数の事例を報告しました。報告ではこのボットは中国政府と関係する Spamouflage によって作成されたと述べられています。Graphika はこれらの親中派ボットを「Dracula Botnet」と呼んでいますが、これはコメントやプロフィール欄の文言がブラム・ストーカーの「ドラキュラ」の引用であることに由来します。ランダムな文章ジェネレータ、あるいは AI が本から単語を選んで、ボットのプロフィールにしています。Graphika は以前にも Facebook、Twitter、YouTube で同じ手法を使った Spamouflage を発見しています。
ロシアのボットのように、これらのアカウントはまず可愛い動物など政治とは無関係の動画を投稿し、数ヶ月経ってからランダムに政治的な投稿を始めます。Spamouflage はまた、デマの拡散も行なっているようです。ある事例では Twitter ボットが英語と中国語話者を対象とした YouTube 動画へのリンクを投稿していました。このビデオのナレーションには明らかに政治的な意図が読み取れます。コメント欄にも不審なコメントが並びます。そのほとんどが、数日間隔で YouTube に登録されたアカウントによるものです。たとえば「Casey Carter」と「Dementiy Karminov」というボットは、同一の動画をまったく同じ順番で公開しています。
Spamouflage はボットを使ってソーシャルメディアコンテンツの高評価やシェアを行い、プロパガンダ広告をアルゴリズムで上位につける工作をしています。米国選挙戦が刻々と近づく中、このような現象はますます増えるものと予想されます。中国、ロシア、イラン各国はすべて、この手法で選挙に干渉しようとしてきました。このような外国政府主導のデマ拡散は選挙に影響を与える恐れがあります。くれぐれもご注意ください。デマの発信元には、上記の YouTube の例と同じように、不審なアカウントアクティビティが見受けられることが多くあります。そのアカウントが誰をフォローし、誰をフォローしているのか確認しましょう。多くの場合、不審なアカウント同士がフォローしあっており、またそれらのアカウントには共通点が見られます。