2019/01/09

ダークウェブを調査する(続編)

darkweb
2019 年 1 月 9 日 Emil Hozan 著

このブログは、私が以前に投稿した記事「ダークウェブを調査する」の続編です。前回の記事では、ダークウェブの調査にあたって最初に行うべきことを説明し、VM と Tor ブラウザの利用をその安全な方法として紹介しました。前提知識として、サーフェスウェブ、ディープウェブ、ダークウェブの違いを説明し、Tor ネットワークとは何でどのような役割を果たすのかを解説し、役立つサンプル URL を紹介し、最後に(当然ながら)免責事項を明記しました。

私の当初の目的は、非倫理的なビジネス行為を提供するとされるダークウェブの実態を調査することでしたが、それを追求する過程で、どのような種類のサービスがどの程度の料金で提供されているのかに注目し、さまざまなベンダのサービスの比較も試みました。以下に、金融サービス、アイデンティティサービス、ハッキングサービスなどについてまとめたデータを紹介します。記載されている料金は調査実施時の米ドル価格であり、ビットコイン価格も併記します。それぞれのサービスの詳細を以下に解説します。

ハッキングサービス

相当数の攻撃ベクトルをカバーしており、多くは onion(Tor ネットワークでホスティングされるウェブサイトを指す、Tor で使われる用語)サイトでサービスが提供されています。一般的なサービスとしては、ウェブサーバのハッキング、学歴の偽造、さらには DDoS サービスの提供などもあります。個人に対する報復を目的とするサービスとしては、PC、携帯電話、電子メール、さらにはソーシャルメディアアカウントなどのハッキングがあります。

不特定多数を大混乱に陥れたいのであれば、レンタル期間によって割引が適用される、ランサムウェアの総合パッケージも利用できます。レンタル期間が長いほど割引率が高くなります。どのようなハッキングを希望する場合であっても、対応するサービスが見つかり、料金さえ払えば利用できるようです。

アイデンティティサービス

立派な経歴を履歴書に書きたい、高卒という学歴を手に入れたい、あるいは、大学の学位を取得したいが、そのために借金したくないと考える人もいるでしょう。偽のパスポートや身分証明書が必要になる場合もあるでしょう。人生に行き詰まりを感じるのであれば、「新生活パッケージ」を選択して、1 回の取引で新生活を始めるのに必要なすべてのものを手に入れるという手もあります。

情報収集

上記のサービスはあまりに複雑だというのであれば、気楽に利用できる、受動的なサービスも色々あります。不正取得された機密データのデータダンプから作成されたさまざまな情報レポートを手に入れ、誰かの居場所を突き止めたり、身元を調査したりすることもできます。詐欺の被害者になって憤りを感じているのであれば、犯人を突き止めたり、スパイウェアで犯人を懲らしめたりすることで、気が晴れるでしょう。

アラカルトサービス

ハッキングのレベルを選択してハッカーに直接アクセスし、ハッキングを依頼することもできます。
ハッキングサービスの料金がレストランのメニューと同じように明記されています。

金融サービス

残念ながら、このサービスを利用する資金がなければ、できることは限られています。より多くの利益を得るには、ある程度の「投資金」が必要です。多額の資金があるように見せかける、あるいは、利用限度額が高いクレジットカードや金融サービスの口座にアクセスするといったサービスを、メニューの中からニーズに合わせて選択できます。

結論

ここでお断りしておかなければならないのは、上記の説明がすべて善意のユーモアによるものであるということであり、当然ながら、違法行為につながるサービスを利用するよう進言したり、提案したりしているわけではないということです。このようにユーモアを交えて説明することも、時には何かを理解する有効な方法であると私は考えています。