2023 年サイバーセキュリティチャネルの主要トレンド
2023 年 4 月 13 日 Sakshi Mathur 著
世界の経済情勢は変化しています。サイバーセキュリティのスキル不足、インフレーション、サプライチェーンに関する懸念などは、値上げやビジネスコストの増加の原因となっており、重要な問題です。そういった厳しい環境の中で、エンドユーザはその支出について再考し始めており、一方でチャネルパートナー、特にマネージドサービスを提供しているチャネルパートナーは、自社サービスの値上げを計画しています。
Canalys が最近発表したホワイトペーパーによると、顧客が支出削減を避けたいと感じている分野の 1 つがサイバーセキュリティであり、今後も経営陣にとっての課題の上位に位置することになるでしょう。Canalys は、2023 年のサイバーセキュリティ製品の世界的な成長率を 13% と予測し、エンドポイントとネットワークのセキュリティ、脆弱性およびセキュリティの分析において最も高い需要があると見ています。
2023 年のサイバーセキュリティチャネルを方向付ける主要なトレンドは何か
1. 成長のためにチャネルパートナーが不可欠になる
取り組むべき課題が複雑化していく中で、サイバーセキュリティの分野における最大の成長機会の鍵を握るのが MSP です。チャネルパートナーのうち 54% は、2023 年のサイバーセキュリティ分野の成長率を 10% 以上と予想しており、51%は、2023 年にマネージドサービスの成長率が 10% 以上になると予想しています。成長の鍵となる分野には、以下のようなものがあります。
- XDR(拡張検知・レスポンス)
- 中堅・中小企業向けオンプレミスのインフラストラクチャ管理。
- ID・アクセス管理サービス
2. XDR によるマネージドサイバーセキュリティの成果改善
Canalys のシニアアナリストである Robin Ody 氏はこう述べています。
「XDR はサイバーセキュリティで最も注目を集めている分野の 1 つです。ベンダとパートナーが協力して、お客様のために最大限の可能性を提供することが不可欠です」
XDR は、異なるテクノロジからのデータフィードを集約的に結合し、検知とレスポンスの改善を可能にするものです。脅威に関するデータを単一のインターフェースに統合し、平均応答時間(MTTR)を短縮することで、精度を向上させ検知を加速させます。XDR サービスを適切に管理するためにも、ベンダとパートナーの連携が重要です。
3. サイバーチャネルにおける M&A
M&A はこのところ、チャネルにおける注目の話題です。大手マネージドサービス会社やプライベートエクイティファームが、大小の MSP を買収することに関心が高まっているためです。買い手にとっての MSP の魅力とは、安定した成長、継続的な収益、拡張性が見込める点です。Canalys によれば、MSP の価値は若干低下しているものの、その魅力は依然として高いようです。MSP がさらなる投資を受ける手段として行うベンチャーキャピタルやプライベートエクイティによる資金調達は、依然として活発です。欧州・中東・アフリカと北米では、2025 年までに現在のピュアプレー MSP の 20% が買収されるか市場から撤退すると見られています。アジア太平洋地域と中南米地域では、MSP の数は 2025 年まで毎年 8% の率で増加すると予想されています。
詳細については、ホワイトペーパー「Key trends shaping the cybersecurity channel in 2023」をお読みください。