2023/12/15

2024 年に AI がサイバーセキュリティ業界にもたらす影響

2023 年 12 月 15 日 編集部記事

人工知能はあらゆる業界に革命を起こしており、サイバーセキュリティもその例外ではありません。業界の専門家やプロフェッショナルの間では、サイバーセキュリティの枠組みの中で、この革新的なテクノロジがもたらすメリットとリスクについて検討する人が次第に増え始めています。

AI は、脅威からの保護を強化する役にも立ちますが、逆にサイバー攻撃を洗練させるためにも利用されています。実際、生成 AI は業界の専門家の間ですでに懸念材料となっています。最近の調査によれば、29% の専門家が「生成 AI は今後数カ月でサイバーセキュリティ分野が直面する最大の脅威のひとつになるだろう」と考えています。

それを踏まえ、企業、サイバーセキュリティの専門家、ソリューションプロバイダにとっては、AI がどのような利益とリスクをもたらすのかについて知識を深めることが肝要です。

2024 年度・AI のサイバーセキュリティ分野への影響トップ 3

ウォッチガードでは 2024 年のトレンドを予測していますが、AI は疑問の余地なく鍵となる要素です。専門家の間でもこのテクノロジへの関心がますます高まっていることを考慮し、当記事では2024 年に想定される 3 つのトレンドを紹介します。

  • ヴィッシングの増加:
    通話を介して行われるタイプの攻撃です。ヴィッシングは今のところ限界のある攻撃手法ですが、信憑性の高いディープフェイク音声や大規模言語モデル(LLM)によって人間が介入することなく会話が持続するようになってきており、これは 2024 年にヴィッシング攻撃の規模と量が急増することを示唆しています。
  • AI 搭載ツールの台頭:
    今後 1 年間で、サイバー犯罪者による AI 搭載ツールの使用と購入が増加し、ダークウェブでも特に売れるツールになると予想されます。サイバー犯罪者は今後数カ月間、攻撃を洗練させるために AI を使用する可能性が高いでしょう。
  • MSP による AI 活用:
    2024 年に AI は MSP にとって不可欠なツールとなります。MSP は、AI と機械学習による強力な自動化を備えた統合プラットフォームに注目することでビジネスモデルを最適化するだろうとウォッチガードは予想しています。サービス提供に AI を導入することで、ビジネス能率を倍増させ、サイバーセキュリティサービスに対する需要の高まりに対応することができます。

以上は、サイバーセキュリティにおける AI の利用から生まれるトレンドの一部にすぎません。要因を理解した上で、企業とサイバーセキュリティプロバイダは、AI の利用でどのような利益を得られるかを検討し、悪意のある行為者がサイバー攻撃にこの技術を利用した場合に発生しうる危険性を理解することが極めて重要です。

2024 年には、AI がサイバーセキュリティ業界をどのように変えていくのか、また今後数カ月を左右するその他のトレンドについてご興味のある方は、2024 年のセキュリティ予測をぜひご覧ください。