顔認識が Facebook から削除されるも、メタバースに追加
2021 年 11 月 8 日 Trevor Collins
Facebook の顔認識は、創設以来ユーザがアップロードした写真をもとに構築された世界最大級の学習データベースを持っていますが、そのデータベースの時代が終わりを迎えようとしています。Facebook はブログ記事において、懸念の多かった顔認識技術を停止すると発表しました。
Facebook は以下のように述べています。
「Facebook 上での顔認識システムを停止します。この機能を有効にしていたユーザは、写真やビデオでも自動的に認識されなくなり、10 億人以上の個人の顔認識テンプレートも削除されます」
しかし、これらが完全に削除されるわけではありません。Vox への回答によると、現在「Meta」という社名にリブランドされた Facebook は、メタバース関連製品で顔認識を使い続けることが明らかになっています。
Meta のビジョンは、自分に似たアバターが入り込む人工現実としてメタバースを機能させ、自宅から出ることなく仮想世界を動き回り、他人と交流できるようにすることです。この仮想環境の基盤となる Oculus ヘッドセットは、すでに発売から何年も経っています。
Meta の CEO マーク・ザッカーバーグ氏は、今後はメタバースに注力していく意向も表明しており、Meta 社全体による顔認識の利用は、減少すらしない可能性があります。Facebook のブログ記事でザッカーバーグ氏は、
「これから数年で、人々は弊社をソーシャルメディアの会社ではなく、メタバースの会社として捉えるようになるでしょう」
と述べています。
顔認識が持つプライバシーや偏見に関する問題への批判から、Facebook の顔認識は多くの批判を浴びてきました。Meta は今後、ユーザを不安にさせないような別の方法で顔認識を利用する可能性もありますが、それは考えにくいだろうというのが筆者の意見です。