CIO の 66% が予算優先順位のトップにサイバーセキュリティ投資を挙げる
2023 年 3 月 1 日 編集部記事
ガートナーの最新予測によると、世界の IT 支出は今年 4 兆 5,000 億ドルに達するとされています。景気が消費者市場に悪影響を及ぼす一方、企業は世界的な景気減速にもかかわらず、優先順位を組み替え、デジタルビジネスの取り組みへの支出を増やし続けています。
IT 予算は 2022 年第 3 四半期に上昇し始め、ガートナーの報告によると、CIO(最高情報責任者)の 76% が、前四半期と比較して IT 予算が増えたと述べています。この傾向は現在も続いており、企業はサイバーセキュリティを予算の優先順位のトップに据え、多めの財源を用意して今年の予算を決定しています。
コンサルティング会社の調べによると、CIO の 66% が 2023 年にサイバーセキュリティと情報セキュリティへの投資を強化する予定であることがわかりました。この数字は、2022 年第 3 四半期の IT 支出において「サイバーセキュリティを重視する」と意向を示した 40% という数字と比べても上がっています。
その他の優先事項:ビジネスの最適化、人材不足への対応、クラウドの安全性確保
IT 予算は増加したものの、企業が CIO に対してデジタルツールの活用、コスト削減、無駄の回避を求めなくなったわけではありません。IT 管理者にとっては、 2022 年第 3 四半期にすでにコスト削減が主な焦点となっていました。その結果、サイバーセキュリティに加え、ビジネスインテリジェンスとデータ分析(55%)、クラウドプラットフォーム(50%)への支出を増やし、ビジネスの最適化に戦略を向けています。
スキルや有資格者の不足は、テクノロジ分野の妨げになっています。ガートナーのレポートによると、人材問題は 2022 年第3四半期に IT プロジェクトが直面した最も一般的な課題として位置づけられており、63% が人材不足を、54% がチーム内のスキル不足を報告しています。
こうした人材不足に対応するため、企業は IT ソリューションの導入やサポートを行う外部の IT スタッフを採用したり、MSP などのマネージドサービスの利用へと舵を切っています。このことは、今年の IT サービス市場が 5.5% 成長するというコンサルティング会社の予測にも反映されています。
昨年までの傾向を踏まえると、IT 管理者は引き続きハイブリッドワークの促進に取り組んでおり、これはすでに昨年第 3 四半期の最優先事項の 1 つでもありました(53%)。これは、先に述べたクラウドプラットフォームへの支出増も含んでいます。最近の Red Hat のレポートでは、企業がサイバーセキュリティにより関心を持つようになった、というガートナーの意見に沿いながらも、これは過去 2 年間のクラウド導入の爆発的な増加やリモートワークへの大規模な移行が、企業ネットワークに新しいセキュリティリスクをもたらしたことが大きな原因だと指摘しているのは面白い点です。このワークモデルにおいて、クラウドインフラストラクチャ(42%)、ビッグデータとアナリティクス(45%)、自動化(35%)など、さまざまなテクノロジカテゴリで、セキュリティが優先事項として挙げられています。
セキュリティ予算が増加した理由
ここまでで、サイバーセキュリティは、企業が不況に対処するための支出削減の対象ではないという傾向が明らかになりました。予算増加の主な理由には、次のようなものがあります。
- 変化するセキュリティの脅威から組織を保護する必要性。
- 規制の変化やコンプライアンスへの対応 。
- 経営陣がサイバーセキュリティに注目するようになった。
これらの要因は、サイバーセキュリティの予算を押し上げるだけでなく、ゼロトラストの採用をも加速させています。事実ガートナーによると、この体制が 2025 年までに新しいリモートアクセスのフレームワークの少なくとも 70% を占めるようになり、昨年の 10% 未満という数字から大きく飛躍する予測を示しています。
今日、顧客、パートナー、ステークホルダーは、サービスの中断や、侵害されたシステムによってもたらされる信頼の喪失がビジネスに多大な影響を与えることを恐れています。今日の新しい業務パラダイムにおいて、企業はこのようなセキュリティアーキテクチャを優先的に採用しており、それは完全かつ包括的なサイバーセキュリティポートフォリオによって実現できるものです。
ウォッチガードの統合型セキュリティプラットフォームは、包括的でエンドツーエンドのセキュリティを実現します。このプラットフォームは、従来のパッチワークのようなアプローチに代わる完全なセキュリティを提供するもので、ビジネスネットワークの保護に必要なテクノロジを単一のプラットフォーム上にまとめて企業の CIO に提供します。さらに、包括的な保護を提供するだけでなく、従業員も複数のインターフェースではなく、1 つのプラットフォームに精通すればよいため、サイバーセキュリティのコストを最小限に抑えることができ、スキルや有資格者の不足に悩まされている場合には、大きなメリットになります。
ハイブリッドワークモデルからゼロトラストまで、サイバーセキュリティへの支出を増やすことは、企業がデータを安全に保ち、長期的な成功を実現するためにも不可欠な要素です。