サイバーセキュリティとネットワーク保護のヒント
デジタル化が進んだ現代社会には、クリプトウェア、ワーム、不正アプリケーション、ウイルスなどの多種多様なサイバー攻撃が存在します。このような環境で、自らのデータやネットワークを守るには、どうすれば良いのでしょうか。
犯罪を手助けする膨大な数のツールが出回っていることを考えれば、その答えを見つけるのは簡単ではないでしょう。NSA からツールが流出し、コンピュータシステムの頭脳である CPU にも脆弱性が発見されたことで、サイバーセキュリティがネットワークと肩を並べるほど重要な要素になりましたが、ネットワーク内のユーザが脅威を認識し、備えあれば憂いなしの精神で対策を進めない限り、ネットワークの強化が大きな効果を上げることはできません。
仕事で使うコンピュータにログオンしたところ、ファイルを暗号化したというメッセージが表示され、自分のデータを取り戻すために金銭を支払わなければならなくなったとしたら、極めて屈辱的なことです。そのような状況に陥るのを防ぐにはどうすれば良いのか。その答えは、一言で言えば、「バックアップ」ということになるでしょう。
バックアップをオフラインや複数のネットワークアクセス可能な場所に保存し、それぞれを十分なセキュリティ対策で保護していない場合は、今すぐ始めることをお勧めします。そして、当然のことながら、クリティカルデータのバックアップを常に最優先させる必要があります。
会社のネットワークに業務目的でアクセスするリモートの従業員がいる場合は、どのような対策が必要でしょうか。このようなユーザによるネットワークへのアクセスを許可しつつ、ネットワークを保護するには、どうすれば良いのでしょうか。
VPN は、悪用される可能性のあるウェルノウンポートが必要以上に公開されないようにする、有効な手段です。このレベルの暗号化によって、部外者による通信の傍受とパケットのスニッフィングがはるかに困難になります。ネットワークトラフィックが暗号化されていない場合、ツールさえあれば、誰でも簡単に傍受が可能になります。どのような攻撃の標的になるリスクが自社のビジネスプロセスにあるのかを十分に理解しておく必要があります。
ここまででご紹介したすべてのヒントによって、ネットワーク保護が強化されますが、何か不足しているものはないでしょうか。
上記のヒントに加えるべき、重要な要素として、従業員教育を実施する必要があります。フィッシングメールに埋め込まれたリンクから、瞬く間に感染が広がる恐れがあり、ネットワークセキュリティを軽視すべきでないのは明らかです。これらの脅威の侵入を防ぐとされるツールはたくさん存在しますが、それを突破して侵入した場合を想定して従業員教育を行うことが重要です。
未知の脆弱性やエクスプロイトはどのような情報システムにも存在する可能性があり、その多くは、不幸にして遭遇した誰かが犠牲となることで、毎日のように発見されます。あるいは、志の高い研究者によって発見される場合もあります。
使用している製品やハードウェアのソフトウェアを常に最新の状態に保つよう心掛けてください。脆弱性やエクスプロイトが見つかると、それを解決するセキュリティパッチが公開され、ソフトウェアをアップデートすることになります。ソフトウェアリリースノートを定期的に見直し、アップデートによるメリットを確認して、自分にとって利益になるのであれば、そのリリースをアップデートします。ただし、潜在的なセキュリティホールを修正する、重要なアップデートの場合は、速やかにパッチを適用する必要があります。
判断基準となるのは、自分のデータにどの程度の価値があるかということであり、価値があるのであれば、どのような手段も受け入れられるのか、あるいは、十分な対策を講じて、問題が発生したとしても速やかに回復できるようにしておく道を選択するかということになるでしょう。– Emil Hozan