Facebook が収集しているユーザのデータとは?
2020 年 1 月 29 日 Emil Hozan 著
あなたがもし、28 億人いるFacebook のユーザのひとりであり、プライバシーについて多少なりとも気にかけている方であれば、Facebook の新しい設定機能である「Facebook 外のアクティビティ」オプションを確認することをおすすめします。「あなたの Facebook 情報」セクションにそのオプションがあります。筆者の場合それほど多くの情報は含まれていませんでしたが、The Hacker News の Mohit Kumar 氏がこの設定を確認したところ、1,000 個以上のアプリとウェブサイトが氏のアクティビティをシェアしていたとのことです。さて、あなたはどうでしょうか?
オンライン上のアクティビティがマーケティングの目的で収集されているという事実を知っているだけに、これには辟易します。オンラインショッピングやどのような Web サイトにアクセスする傾向があるのかまで、多くの Web コンテンツプロバイダが、あなたに関する情報を Facebook にシェアしています。このサービスに関する Facebook の詳細ページでは、こう述べられています。「ほとんどのインターネットを無料で利用することができるのはこの広告のおかげであり、Facebook も例外ではありません」これは紛れもない真実です。商品がただである、ということは、つまりユーザであるあなた自身が商品なのです。
視点を変えてみれば、これはそこまで恐ろしいことでもありません。買い物が目的で市場にいるのならば、探しているモノの割引広告が表示されるのは、よいに決まっています。しかしそれには犠牲も伴います。それは、個人向けにカスタマイズされた広告のためには、あなたのブラウジングの履歴が総合的に分析されている、という事実です。それが対価として妥当かどうかという判断は、もちろんあなたにお任せします。
一番厄介なのは、これが裏で起こっていても、ユーザはそれを直接管理できないということです。確かにどのような Web サイトを見るときも、プライバシーと情報の利用目的ポリシーについて一読すれば、アクセスする Web サイトによる情報の利用範囲をある程度抑えることは可能です。しかしこれは骨の折れる作業で、現実的とは言い難く、多大な時間も必要とされます。事前に文書を読んだりせず、書いてあることにとりあえず同意してしまった方が楽です。
ですがもしプライバシーについて真剣に考えているのであれば、完全とは行かないまでも、オンラインでのユーザの活動の追跡をある程度阻止する方法があります。しかしその方法については、積極的に探す必要があります。すべての追跡を防ぐ方法とはいかないものの、設定の手間をかけるだけの価値はあります。これは Electronic Frontier Foundation(EFF)が、ブラウザ用プラグインである Adblocker Plus について述べている資料で、Cookie の設定を変更して HTTP リファラを無効にする方法や、HTTPS Everywhere という名前のブラウザ用アドオンを紹介しています。
EnigmaSoft のブログ記事では、データが集められ、それを欲している人の手に渡っていく流れを、分かりやすいインフォグラフィックで説明しています。加えて、Search Engine Tracking(検索クエリのストレージ)についても説明し、ブラウザのトラッキング防止機能(もっとも、企業がこのリクエストに応えることは義務ではありません)を活用すること、その他のブラウザ用プラグイン、たとえば Ghostery や DisconnectMe といったものを紹介し、可能な場合、オプトアウトすること、モバイルデバイス上のプライバシー設定を調整することをすすめています。また、Gear Patrol が、似たような提言(ブラウザ用プラグインやアドオンなど)をしているほか、さらに一歩進んだアドバイスとして、VPN の使用(これはそれなりに普及しています)や、TAILS の使用(こちらはそれほどでもなく、ユーザ側の労力も必要)を推奨しています。
それを踏まえた上で筆者の考えをお伝えすると、プライバシーを重視されるのであれば、メインストリームコンテンツからは距離を置き、使っている製品やサービスがなんであれ、どのような設定が可能かを把握すべきです。たとえば、Web ブラウザ上で設定可能なオプションについて確認しましょう。今までインストールしたモバイルアプリも見直し、使っていないアプリは削除しましょう。少なくとも、アプリに許可されている、情報の共有を求める機能について確認しましょう。最後に TAILS や同種の OS を使うことについてですが、これは、公共のインターネット上にあなたの情報を一切公開したくない、というのでもない限り、積極的におすすめするものではありません。しかしトラッキングをとても難しいものにできることは確かでしょう。ただし、USB デバイスを通して実行されるため、ユーザエクスペリエンスが低下するかもしれませんが一つの選択肢となります。