2018 年 6 月 21 日 Trevor Collins 著

悪名高い仮想通貨である TRON による、さらに悪名の高い BitTorrent の買収が明らかになりました。ファイル共有の支持者と反対者のどちらにとっても、先行きは不透明な状況です。

TorrentFreak のレポートによれば、BitTorrent（現在は Rainberry に改名）の買収によって、今後の動きについての議論が活発化しています。この買収に関連して、TRON の創業者である Justin Sun 氏が、買収の合意に従っていないとして、不服を申し立てました。TRON からの買収の申し入れの直後に、Rainberry に対して 3 件の同様の申し入れがあり、Sun 氏がこれに対して、「他社からの同様の申し入れの交渉を明確に禁止した」と主張したのです。最終的には、この申し立ては却下されました。おそらくは、契約に署名していなかったためと思われます。訴訟が解決し、その段階では、買収の詳細がほとんど明らかになりませんでした。

Sun 氏は以前に Rainberry Acquisition という持株会社を登録しており、6 月 11 日に、その持株会社と Rainberry のステータスが「売り」に変更されました。そして、今週初めに買収の詳細がついに明らかになりました。Rainberry が 1 億 4,000 百万ドルで Sun 氏に売却されたのです。

Sun 氏がこの買収によって、TRON を BitTorrent や uTorrent に統合するものと思われ、そうすれば、クリプトマイナーが uTorrent に追加されることになるでしょう。uTorrent は、Rainberry の一部であり、TRON と BitTorrent が一緒に使われて、情報が渡されたり保存されたりすることになるものと予想されます。TRON のホワイトペーパーでは、BitTorrent ネットワークのこの手段での使用について説明されており、私自身は、この方法がさらに発展するものと考えています。Rainberry は最近、ビジネスモデルを変更する予定はなく、クリプトマイニングを可能にする計画もないと発表しました。

Sun 氏は、Twitter で活発に発言していますが、今回の買収について何も語っていません。おそらく彼は、時期を伺っているか、別の理由でこの件についての発言を避けているものと思われ、今後の方向性は未だ謎に包まれています。

今後の動向について確かなことは言えませんが、良くも悪くも、BitTorrent の使い方が変わることに間違いはなさそうです。— Trevor Collins