サイバーセキュリティにおける AI:20 年にわたる革新
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2025 年 1 月 17 日 Mónica Díaz 著
予測システムから ChatGPT のような生成 AI ベースの仮想アシスタント普及に至るまで、人工知能は多くの分野で重要な推進力となっています。サイバーセキュリティも例外ではありません。生成 AI が持つ革命的な影響力によって AI の利用は一般化しましたが、この技術は実際には 20 年以上前からセキュリティ分野で活用されており、業務効率を向上させるための補足的かつ重要なツールとして、プロアクティブな脅威管理に貢献してきました。
プロアクティブな保護からゼロトラストアプリケーションサービスモデルへ
従来のセキュリティシステムは、事後の手動分析に依存して脅威を検出していたため、非効率で遅く、増え続けるマルウェアの量に対応できるほどの拡張性もありませんでした。2004 年、WatchGuard は保護システムへの AI の統合を先駆けて行い、攻撃が手動で特定されるのを待つのではなく、事前に脅威を検出することを可能にしました。AI による脅威の自動検出により、エンドポイントセキュリティはより効率的でプロアクティブなものとなりました。
歴史的に見てサイバーセキュリティは、企業ネットワークを、外側からの脅威より保護するための境界であると理解されてきました。しかし時の流れとともに、この境界は弱まってきています。今ではユーザのデバイスが第一の防衛線となっています。WatchGuard では AI の能力を向上させ、この新たな技術を活用してお客様を保護することに注力してきました。
2015 年にゼロトラストアプリケーションサービスを導入したことは、この分野において大きなマイルストーンとなりました。このソリューションは、既知のマルウェアの実行を防ぐだけでなく、AI を活用してアプリケーションやプロセスの安全性を自動的に検証し、信頼できるアプリケーションのみを実行可能にします。ゼロトラストアプローチは、既知および未知のマルウェアをブロックする効果的な保護戦略であり、セキュリティポリシーにおける重要な進化を象徴しているといえます。
エンドポイントセキュリティの基盤としての AI
サイバー攻撃の 90%、データ侵害の 70% がデバイスを発端として発生しているため、エンドポイント保護はあらゆる組織にとって最優先事項です。それにもかかわらず、従来のセキュリティソリューションの多くは、脅威を含む可能性のあるアプリケーションや、不審なユーザおよびデバイスの動作を検出するために必要な可視性を備えていません。
AI は、応答時間の短縮と脅威検出の自動化を行う上で鍵となり、複雑化する攻撃から組織を守る上で大きな利点をもたらしています。WatchGuard では、AI により脅威の分類を自動化するだけでなく、進行中の攻撃を示唆する異常の検出も可能にしました。これにより管理者は最も重要なケースに集中でき、誤検知や優先度の低いアラートに時間を浪費せずに済みます。
また機械学習は、脅威の検出をさらに強化しました。WatchGuard では機械学習を活用して業務効率を向上させ、迅速かつ正確な検出を実現することで、重要なポイントに対処しています。これにより経済的損失のリスクが低減され、リアルタイムのアラート管理も簡素化されています。
AI は魔法ではなく、応用科学である
昨今の AI への熱狂を見ると、まるでこの技術が魔法であるかのような印象を与えます。しかし実際にはそうではありません。AI とは異なる状況に応じて効率を向上させるためのツールであり、サイバーセキュリティもその応用分野の 1 つです。
過去 20 年にわたって AI を統合することで、WatchGuard は集合知のような革新的なアイデアを実装し、実際のサイバーセキュリティ問題を解決する強力な味方となってきました。当初は革新的な補助機能だったものが、今や現代のセキュリティに不可欠な柱となっています。
過去 1 年間で AI の認知度は飛躍的に向上しましたが、WatchGuard では、この技術が業務をより効率的にし、応答時間を短縮し、最終的にビジネスにとって重要なアセットの 1 つである「情報」を保護できることこそが、真の革新であると考えています。