2020 年セキュリティ動向予測:サイバーセキュリティスキルのギャップが拡大する
2019 年 11 月 21 日 編集部記事
サイバーセキュリティやその欠如が注目されています。新たに発生したデータ侵害、ランサムウェア攻撃、企業ネットワークへの不正侵入、国家主導のサイバー攻撃などが話題にならない日は一日たりともないかのようであり、一般ユーザであっても、自分の個人情報を守ることがセキュリティにおいてどれほど重要であるかを、(Facebook のおかげで)痛感するようになりました。そのような状況を考えれば、サイバーセキュリティの専門家に対する需要がかつてないほど高くなっているのは当然のことでしょう。
問題は、その需要を満たすだけの十分なスキルを持つプロフェッショナルが不足していることです。最新の調査によれば、2018 年には、サイバーセキュリティの人材不足が 300 万人にも上り、大学やサイバーセキュリティの専門機関が能力のある候補者を輩出する速度が情報セキュリティに従事する人材の需要に追いついていないのが現状です。実に 4 分の 3 もの企業が、サイバーセキュリティのスキルの不足の影響を受け、セキュリティの低下につながっていると訴えています。
残念ながら、このサイバーセキュリティのギャップが 2020 年中に緩和への方向に向かうとは思えません。能力を持つサイバーセキュリティのプロフェッショナルの需要が増加の一途をたどる一方で、供給の増加につながるような雇用や教育の変化は起きていません。その理由が、サイバーセキュリティの正規の教育コースが欠如しているからなのか、割に合わないことが多い仕事であるためにこの仕事に就こうと考える人が少ないからなのかのどちらであったとしても、来年は、サイバーセキュリティのスキルの需要と供給のギャップが 15% 増加することになると、我々は予想しています。専門家の人材不足によって成功するサイバー犯罪が増えないことを祈るばかりです。
セキュリティ対策のヒント:サイバーセキュリティの人材をすぐに雇用できるわけではありませんが、強力なサイバー対策を採用し、実践するための選択肢はもちろんあります。長期的な方法としては、地元の教育機関と協力することで、サイバーセキュリティの将来のプロフェッショナルをいち早く発見し、雇用へと結び付けることができる可能性があります。短期的には、多層型セキュリティが組み込まれた単一ソリューションを採用したり、MSP(マネージドサービスプロバイダ)やMSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダ)を活用してセキュリティのニーズをアウトソーシングしたりする方法があります。
来年、新たに登場することが予想される、これ以外の脅威やセキュリティ動向を知りたい方は、ウォッチガード脅威ラボによる 2020 年セキュリティ動向予測の一覧2020 年セキュリティ動向予測の一覧2020 年セキュリティ動向予測の一覧をご確認ください。