量子コンピューティング:ハッカー対策の新たなツール
2017 年 1 月 27 日 Corey Nachreiner 著
サイバーセキュリティの世界には既に未来的な SF のディストピアを感じさせる動きがありますが、ハイテク化の波はまだ始まったばかりです。WIRED の最近の記事によると、量子コンピューティング企業の D-Wave が、あるサイバーセキュリティ企業が同社の新しい量子コンピュータを採用する最初の顧客になったと発表しました。このパートナーシップが成功すれば、セキュリティ業界の未来にさまざまな影響を与える可能性があります。セキュリティベンダーや企業は、何十万件ものセキュリティイベントを毎日分析し、ネットワークをマッピングして脆弱性を効率的に識別し、マルウェアを分類してリスクや優先度を識別するなどの方法に量子コンピュータを活用し、問題解決に役立てたいと期待しています。
量子コンピューティングは業界としての歴史はまだ短いものの、D-Wave が実施したいくつかの初期テストで新しいマシンが達成したパフォーマンスは、非常に期待できるものでした。量子コンピューティングでは、量子力学的特性を利用して、情報のビットを「0」または「1」として同時に格納できる、量子ビットと呼ばれる単位を作成します。通常のコンピュータは、ビットを1または0のいずれかとして記憶できますが、量子コンピュータは、両方を同時に記憶できるのです。これによって、(理論上は)計算が指数関数的に高速化されます。
もちろん、この技術が犯罪に利用される危険性は常にあります。ウォッチガードの CTO である Corey Nachreiner は、2017 年にはハッカーが 機械学習を採用し、これまで以上に悪質なマルウェアを作成するようになると予測しています。そのようなデータセットが量子コンピュータで処理されたとしたら、どうなるでしょうか。その答えを断言することはできませんが、犯罪者は間違いなく、ネットワークの保護対策を突破する新たな方法を常に探しています。
機械学習の将来の詳細を、WIRED の記事全文(英文)とウォッチガード の 2017 年セキュリティ予測(PDF)でご確認ください。