小売業における詐欺の半分以上がデジタル犯罪という英国での調査結果
2017 年 2 月 6 日 編集部記事
英国の小売業者団体である British Retail Consortium による小売業犯罪調査で、英国の小売業関連の犯罪の 53% が、フィッシング、データ漏洩、顧客データのデジタル盗難などのオンライン関連のものであり、損失が総額 1 億ポンドにもなることがわかりました。調査対象の 110 万の小売業者の半数が、サイバー犯罪は業界にとって最も重大な将来の脅威の 1 つだと考えており、91% が、サイバー攻撃の件数が今後も増加または横ばいで推移するだろうと回答しました。
そして、これらの脅威への対策という点では、前向きな回答が多くみられました。4 分の 3 以上がサイバーセキュリティの専門知識を有する人材を探して雇用できると回答し、ほとんどの企業がサイバーセキュリティのトレーニングを提供していると回答しました。これは、フィッシングメールやソーシャルエンジニアリング詐欺、あるいは、その他の攻撃の兆候を発見できるように従業員に周知することで、データ漏洩の可能性が低くなることを考えれば、心強い調査結果だと言えるでしょう。
今回の調査は英国の小売業者を対象にしたものですが、小売業におけるデジタル詐欺は、米国においても深刻な問題です。米国では、2015 年に EMV チップ対応のクレジットカードとデビットカードが導入されて以来、ブラックフライデーやサイバーマンデーなどの主要な年末商戦の時期には特に、オンラインのクレジットカード不正使用が増加しました。多くの専門家が、EMV によって、カードを実際に提示する買物での詐欺が以前よりはるかに困難になったことで、オンラインショッピングを標的にする犯罪が増えたと考えています。
英国の小売犯罪調査の詳細は、SC Magazine(英文)でご確認ください。また、実際のデータは、ここ(英文PDF)からご覧いただけます。