アクセスを簡素化するシングルサインオン(SSO)でビジネスを保護
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2025 年 1 月 13 日 Sam Manjarres 著
企業における業務環境は複雑化しています。デジタル化が急速に進み、テクノロジツールも多様になっています。この変化に伴い重要な課題として浮上しているのが、機密データアクセスの保護と管理です。IT 担当者はパスワード関連のサポート対応に追われており、従業員は複数の認証情報を管理しなければいけないため、生産性とセキュリティの両方に悪影響を及ぼしています。
そんな中、認証プロセスの簡素化と組織全体のサイバーセキュリティを向上するために強力かつ不可欠であるとして、シングルサインオン(SSO)がソリューションとして注目されています。
複数のパスワードが必要な場合に、人為的ミスやセキュリティ侵害が発生しやすいと言えます。従業員が管理すべきパスワードの種類は平均で最大 27 個で、これは認証情報の使い回しが起こるリスクを高めるだけでなく、覚えやすい脆弱なパスワードが利用される可能性も助長します。
これは深刻な脆弱性につながります。2023 年のベライゾンによるレポートでも強調されているように、データ侵害の 86% は、盗難された認証情報の使用や不正利用に関連していました。
またハイブリッドワークモデルの普及により、従業員は複数の場所やデバイスからリソースへアクセスする必要があり、IT インフラストラクチャが安全かつ効率的であることへの要請が一層増大しています。
非効率的な認証情報管理がもたらす影響
- IT 担当の業務負荷増大:
パスワードのリセット対応は、IT 担当者の時間とリソースの多くを奪います。これはより重要な業務の妨げとなります。 - 従業員の生産性低下:
繰り返しのログイン作業や複数の認証情報の管理、アカウント回復に費やす時間が生産性の低下やストレスの原因となります。 - 高まるセキュリティリスク:
認証情報の使い回しをすると、サイバー犯罪者が複数アカウントへ不正侵入することが容易となり、アクセス管理の不備があった際にフィッシングやソーシャルエンジニアリング攻撃に晒されやすくなります。このリスクは、クラウドアプリケーションの利用頻度が高い環境でさらに深刻化します。
シングルサインオン(SSO):プロアクティブで安全な解決策
シングルサインオン(SSO)は、これらの課題を直接解決するソリューションです。SSO を導入することで、ユーザはひとつの認証情報で複数のアプリケーションにアクセスできるようになります。シンプルであるがゆえに、運用面とセキュリティ面の両方で具体的な改善が期待できます。
- ユーザエクスペリエンスの最適化:
複数のログインを不要にすることで、ユーザエクスペリエンスは大幅に向上します。また、IT 担当者がパスワードリセットに対応する負担を軽減できます。 - セキュリティリスクの軽減:
認証を一元管理することで、強固なアクセス制御を容易に実施でき、不正アクセスのリスクを最小限に抑えます。 - 規制準拠:
RGPD、HIPAA、PCI DSS など、規制遵守の要求が高まっています。SSO は許可されたユーザだけが機密データにアクセスできるソリューションとして一元化されていることから、監査が受けやすくなります。
SSO はアクセスを簡素化するツール以上の役割があります。より安全で生産性の高い職場環境を構築する一助となります。SSO の導入で、運用とセキュリティの課題両方に効果的に対処することができ、シームレスなユーザエクスペリエンスが実現し、さらにサイバーセキュリティ態勢を強化することができます。
マーケットでは多数のソリューションが提供されていますが、SSO の導入を促進し、包括的かつ専門的なサポートを提供するプロバイダを選択することが重要です。SSO への投資は、安全なデジタル環境の未来へのコミットメントを意味します。SSO が企業にもたらす利点については、ホワイトペーパー(英語)をご覧ください。
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